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TOP教室通信四川大地震と蜀(しょく)(2008年5月26日)

2009年07月30日 木曜日 四川大地震と蜀(しょく)(2008年5月26日)     ( 教室通信 )

img15月12日、中国の四川省を中心として起きた大地震によって、すさまじい被害が出ていることはテレビや新聞などの報道でくわしく伝えられています。ぼくは、子どものころ“西域オタク”だったので、とりわけ関心の深い地域でもあり、新聞に出ている地名のそれぞれを古い時代のそれと重ね合わせ、むかしの知人の災厄のように感じていました。
四川省は、あの三国志の蜀の都、成都(益州)を州都としています。蜀は、三国志の時代よりもずっと古く、殷の時代から羌(チャン)族という少数民族の土地でした。蜀は、古い辞書によると、「虫」の字を含んでいるように、蚕(かいこ)を飼い、絹の名産地でした。唐の詩人李白は、「蜀道の難きは青天に上るよりも難し」と表現していますが、古代から「天府」と呼ばれるほどの豊かな土地で文化水準も高く、大熊猫(ジャイアントパンダ)の生息地となるほどの恵まれた自然環境を今に残しています。
羌族は日本語の半分くらいを理解できる、と言われ、似たような発音の単語が多いようです。また、日本神話に近い天孫降臨神話があり、山や樹木などの自然を崇拝するアニミズムであることも日本民族との近さを感じます。また、井戸掘りなどの灌漑(かんがい)技術に優れているとのことで、たぶん、5世紀ごろの中国からの渡来人の中心に羌族がいたのかもしれません。また、羌族から枝分かれした部族のひとつが蔵(チベット)族で、この大地震の震源地は、アバ・チベット族羌族自治州です。産業の面では、日本で使われる金属シリコンの大部分がこの州からきているそうです。ほんの2ヶ月ほど前に、チベット自治区ラサで起きた反乱は、チベット族が多く住むこの地域にも及んで、そのために中央政府は少数民族の不満が広がらないように、復旧に懸命のようです。
救出劇や大被害のようすを見ているだけでなく、歴史的にも文化的にも、日本と深い関係のあるこの地域が少しでも早く復興できるように、できることからやってみたいと考えています。

 

 

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